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断面修復材に・・・ [コンクリート診断士]

圧縮強度は必要か?と前々回の記事に書きました。

弾性係数が同程度である必要はあるのか?

線膨張係数は同じがいいのか?

すでに,一般の方々には??な記事になっていますが,二班の方々に

むけて,記事にすることにしました。

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断面修復材に圧縮強度は必要か?と聞かれれば,大半の方々はそのとおりと

返答されると思います。

それはきっと,圧縮強度は材料の基本的な物性値だからです。

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では,PC構造物の断面欠損部の補修材に躯体と同程度以上の圧縮強度は

必要か?と聞けば,2割くらいの方々は,所要の付着力があれば,必ずしも

躯体と同程度である必要はない。っと返答されるのでは?

残る8割の方々は,残念ながら同程度以上が必要と返答されるのかもしれません。

あるいは,もっと種々の意見がでるのかもしれません。

当然,以下のようなご質問もでるでしょう。

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その断面修復材が受ける応力は圧縮でしょうか?引張でしょうか?せん断でしょうか?

その断面修復材の補修範囲は局部的でしょうか?全体的でしょうか?

その断面修復材は振動下で施工されるのでしょうか?

その断面修復材は躯体と同じ色が望ましいのでしょうか?

その断面修復材は躯体と同じ材齢となることはあるのでしょうか?

その断面修復材はゆっくり硬化してもいいのでしょうか?

その断面修復材は・・・。

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その断面修復材は無機材料のメ-カ-が講師をしていたので,躯体と同等以上の

圧縮強度が必要といわれたのでは?

その断面修復材は無機材料のメ-カ-が講師をしていたので,躯体と同程度の

弾性係数や線膨張係数が望ましかったのでは?

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線膨張係数が躯体と近い方が温度変化により接着界面に生じる応力が小さくなり

その方が良いことは理解できます。

しかし,弾性係数が小さい場合には界面に生じる応力も小さく,大きな問題とは

ならないとも思いますが,2班の皆様どうでしょう?。

応力ではなく,ひずみが問題なのでしょうか?

では,目地を設ければ解消する?

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また,材料メ-カ-の講師いわく,本材料は付着性状が良好で,中性化速度が

小さいため,かぶり厚さが小さくできます,とのこと。

エポ鉄筋なのでかぶりは不要ですとは聞いたことがない。

劣化因子の遮断性能でかぶり厚が決まるのならば,腐食代(シロ)をとった鋼材を外側に

設置した方がよいのでは?(断面修復材が不要となるので)。

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っと,批判的な内容となってしましましたが,無機系の断面修復材がダメっと言って

いるのではありません。

有機であろうと無機であろうと,補修目的や損傷の規模や原因,経済性,施工性,

施工上の制約条件の有無など,種々の要因によって選定されるものであり,

圧縮強度が必要だとか,線膨張係数が云々といったことは,断面修復材の要求性能

ではなく,ただの物性値だと,私は思います。

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先日聴講した講習会での講師の方のご説明は,無機材料の優位点を強調されていた

のだとは思いますが,付着性状を向上させるためにポリマ-を混入している時点で

いや,モルタルとしている時点でコンクリ-トとは近くて遠い材料になっているのでは?

っと,思う私は第3班なのでしょう。

第3班の立場から,断面修復材に必要な性能は?と聞かれたときの答えは,

自分の自重を支える付着力を有し,施工性,経済性に優れること,できれば

躯体と異なる色,例えば黄色などが望ましい。といえば,言い過ぎでしょうか?

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以上,一般の方々はもちろん,2班の方々のご理解を得られたか否かは不明ですが

3班の考え方について,少し?いや多少?ん?すごく極端な意見を承知で過去の

記事を補足しました。

不要な性能のためにコストが増加することは,1班の方々の理解を得られない。

リダンダンシ-が求められることは承知しているが,PC構造物と同程度の強度を

断面修復材に求めることは,余裕ではなく無駄なのだと思う。

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補修の時代,種々の工法や材料が研究開発されることは望ましい。

良いものの中から,より良いものを選ぶのは簡単かつリスクは低い。

悪いものの中から,より悪くないものを選ぶのは困難かつリスクをともなう。

たかが断面修復,されど断面修復。

より悪くないものを選定できる技術者となれるよう,老眼に負けず,がんばらなければ。

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今回は,辛口の記事でした。ご笑覧いただくことを基本としているので,もう少し

推敲してから記事にすべきだったようにも思います。

いつものように,稚拙な文章ゆえ,真意が伝わったか否かは一抹の不安もありますが,

最後までお付き合いいただきましたこと,感謝申し上げます。


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